保育士は特に人間関係で悩み、体調を崩す人が多い。私はそう感じています。
保育士の働く職場は多くの場合が「保育園」です。最近は男性保育士が増えてきたとはいえ、まだまだ女性が多い職場。女性特有の人間関係で悩み、体調を崩す先生を私も多く見てきました。
さらに保育園はある意味「閉ざされた空間」「特殊な空間」です。
例えば休憩時間、お昼を食べに外出する事はできない。休憩室も狭くて他の職員とぎゅうぎゅう詰め。これではほっと一息つけませんよね。一日中「保育園」という空間で過ごすわけです。さらに保育園によって様々な方針、ルール、よくわからないしきたり?があり、それに従わないと指導される…。
保育園がもっと開かれた空間になると良いのでしょうが、安全上の問題などからもなかなか難しいでしょう。
今日は私の周りで体調を崩した保育士の事例を紹介します。復職した人、退職した人、様々です。※事例はプライバシーのため、事実を少し脚色して紹介します。
①Aさんの場合。
Aさんは私が高校生の時の友人です。とあるサークル活動を通して知り合いました。自分の話を語ることは少なく、人の話をよく聞いてくれる。面倒見の良いお姉さんのような存在でした。
たまたま私とAさんとの共通の友人がいまして、その子からAさんが短大を卒業して、保育士になったのだと、後々聞きました。その頃にはAさんとの付き合いは私はほとんどありませんでした。
数年後、共通の友人から連絡がありました。「Aが行方不明になった。居場所を知らないか?」
あまりに突然の事にびっくりしました。サークル活動も私は先に辞めていて、Aさんとは時々メールのやり取りをするくらいでした。 ですのでAさんの居場所など見当もつきません。
友人が言うには「携帯も車も残して〇〇の駐車場からいなくなった。警察に届けは出しているが、成人しているためあまり相手にしてもらえない(自分の意思で家出している可能性もあるため)」との事でした。
ご家族はとても心配された事でしょう。もちろん私達Aさんの友人も心配でしたが、どうやっても連絡をする手段がなく、ひたすら彼女が帰ってくる事を祈り続けました。
1か月後。
Aさんは無事に家に戻りました。ご家族を始め私達もほっとしました。
数年後、風の噂で聞いた話です。Aさんがなぜ突然失踪したのか、理由は最後まで語らなかったそうです。ですが実は仕事で悩んでいた。と親しい仲間には話していたそう。失踪してからは死ぬ場所を探す為に日本中を放浪していたと。その旅の途中、何か思う事があったのでしょう。家に戻ろう。そう思って家に帰ってきたのだそうです。
Aさんはその後勤めていた保育園を退職しました。しばらく別の仕事をしていたようでしたが、数年後また保育士として頑張っていられるそうです。
②Bさんの場合。
Bさんは私の同期でした。年は私より少し若くて、穏やかで可愛らしい雰囲気の子。同じタイミングで正社員に起用され、また同時に法人内の別の保育園に異動になりました。
私もBさんも正社員となり立場が変わり、責任も重くなり、また慣れない職場という事もあって、かなり疲れていたと思います。クラスが離れていたのでなかなか話す機会はなかったけれど、顔を合わせばお互い励まし合っていました。
数か月後、彼女が体調を崩し休みました。しかし1週間、2週間過ぎても彼女は戻っではきません。そして彼女が病気休暇に入った事だけが伝えられました。
実はBさんを追い込んだ犯人は、法人内でも有名な意地悪な先生でした。Bさんがまだ若くて大人しいのを良いことに、いじめのターゲットになっていたようです。ちなみにこの先生はBさんの件が決定打となり、即日解雇となりました。
Bさんは病気休暇でゆっくり休まれた後に仕事復帰。復帰後はまた穏やかに子ども達と遊ぶ笑顔が見られるようになりました。
いかがでしょうか?けっこう複雑な人間関係が見えてきそうですよね。
そんな私もかなり波乱万丈な保育士人生を送ってきました。今後皆さんにお届けできればと思います。